合衆国大統領、被爆地ヒロシマを訪問

伊勢志摩サミットの後、アメリカのオバマ大統領が広島市を訪れました。大統領は、広島市の平和記念公園にて、慰霊碑に花を手向け、犠牲になった人々を悼みました。
戦後71年にして初めて核爆弾を投下した国の大統領が被爆地ヒロシマを訪れた歴史的意義は大きいと思います。
米ソ冷戦時代、わたしたちは、いつ頭上で核爆弾が爆発してもおかしくない状況に置かれていました。しかし冷戦が終結した今日では旧ソ連の崩壊に伴い、核開発技術や放射性物質の拡散が懸念され、核テロリズムという新たな脅威が生まれました。また、昨今の北朝鮮による核開発の現状を見ると、被爆地であるヒロシマ、ナガサキの核廃絶のメッセージは空しいものに感じられる時があります。
しかし道のりが決して平たんではないことは誰もが理解しています。それでも誰かが、現実に迎合することなく、声を上げることができれば、そして同じ気持ちを持った人が一人づつでも増えていけば、世界は良い方向へ向かうのではないかとも思えます。
オバマ大統領が行ったヒロシマでのスピーチの前半部分は戦争を繰り返してきた歴史の中で核兵器を生み出してしまったことを人類全体の問題と捉えています。核兵器の無い平和な世界の構築は全ての人々の理想とするところであることに異存はないでしょう。しかし、最大の核保有国の大統領として、ほかに言うことはないのか、という批判もあるようです。
でも今は、オバマ大統領の被爆地ヒロシマ訪問を素直に喜びたいと思います。


今回の地震で被害にあわれた方々へお見舞い申し上げます。

熊本地方で発生した地震により被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。
地震は熊本だけでなく大分県竹田市や由布市でも強い揺れのために大きな被害がありました。震源が大分県中部に移動したとき、過去の大地震を思い起こした人もいたと思います。九州に限らず、地震はどこでも起こり得る災害です。
今回の地震で日ごろの地震への備えが全く不十分だったことを痛感させられました。停電になる前にあらゆる機器とバッテリーは充電をしました。断水する前にありったけのペットボトルを集めて水を詰めました。長期保存のきく食料を戸棚からかき集め、コメを容器に入れかえました。当座必要な現金、預金通帳と印鑑を鞄にいれて持ち出せるようにしました。車を家から離してとめました。まさに右往左往という感じでした。日ごろから準備していれば慌てずに済んだのです。
地震は、「段取り八分」と言われるそうです。日ごろから色々なことを想定して準備をしたり工夫したりすることが何よりも重要だと。いざ地震が起きてからではできることは限られているということだそうです。
大分県もまだ大きな揺れに警戒が必要です。今のうちに備えを固めたいと思います。


変える勇気と変えない賢明さ

通勤途中に大分大学医学部の前の交差点で信号待ちをしていると、たまに大きなローター音が聞こえます。大分大学医学部附属病院救命救急センターのドクターヘリです。
この救命救急センターは大分県のほぼ中心に位置しており、ここから大分県全域どこでも20分以内で到着できるそうです。救急車に比べてはるかに素早い対応が可能となります。日本に先んじてドクターヘリを導入したドイツでは、導入前に比べて交通事故の死亡者数が劇的に減少したと言われています。
さて、このドクターヘリは救急車と同じで緊急時には誰でも搬送してくれるし、出動した際の費用は一切かかりません。これらの維持や運営費は地方自治体が負担し、国もそれに対して補助金を出しています。わたしはいつも思うのですが、このように、誰でも平等に軽い負担で医療を受けられる我が国の制度は素晴らしいと思います。
しかし、先ごろ大筋合意したと言われるTPPには、医療分野も含まれていています。また折しも今の政府は医療法や医師法による規制を大胆に緩和しようとしています。日本の先端医療は、重要な成長戦略の要、日本の経済成長に貢献する分野だということです。医療を競争力のある「日本の産業」または「ビジネス」と捉えた発想です。
確かに営利追求と競争は成長の原動力だと思います。しかし、何から何まで競争原理を持ち込めば良いというわけではありません。そもそも「いのち」と「健康」は、貨幣価値に換算できないのです。だからそこに競争原理はそぐわないのではないでしょうか。
変えるべきことは変える勇気を、変えないで良いものは変えない賢明さが求められているように思います。


時事問題を一つ

中国の中間層(ある程度の年収とある程度の資産を保有している)がここ数年で激増し、すでに1億人を突破し、今後も増え続けていると報道されました。
今、中国の中間層はこぞって来日し、日本観光を楽しみ、日本製品を買って帰ります。こうした人々が日本に対して好印象を持つことは日中関係改善の一助になると言われています。また、中間層の増加は中国市場経済の安定化につながるとも言われています。どちらも大変結構なことだと思います。しかし、わたしは、2012年の「国連持続可能な開発会議」において、ウルグアイのムヒカ大統領(当時)の行った有名な演説の中で、先進工業国に投げかけられた疑問と示唆を思い出しました。
日本人がそうであるように、今後は大量消費に裏打ちされた「豊かな」生活を目指す人々が東アジアで1億人おり、今でも増え続けています。果たして鉱物資源は、エネルギーは、食料などの生物資源は、水は、そして廃棄物は、温室効果ガスは、環境はどうなってしまうのでしょうか。
限りある資源と環境と、バランスのとれた経済成長が今後望まれるでしょう。


2月になりました。

2月になりました。
日銀の当座預金金利はマイナス(マイナス金利)に下がりましたが、気温は上がりました。寒波も去って穏やかな天気が期待できそうです。
(ちなみに、マイナス金利は日銀の当座預金の一部、超過準備に対する金利に適用されるそうです。)
残念ながらマイナス金利によって株価は乱高下したものの期待通りには上がらなかったようですが、気温が上がったおかげで31日の日曜日はとても過ごしやすい陽気となりました。
この時期になると、これからの季節の変わり目が楽しめます。少しづつ暖かい日が増えていくのが実感として分かります。
四季があるということはいいものだと思いますね。