宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』を見てきました。ネットで座席を予約し、当日は予約番号でチケットが発行され時間になると指定した席に座り上映を待つのですが、なんかこう、ここでいつも隔世の感を覚えるんですね。
友達と初めて観に行った映画はスピルバーグ監督の『E.T.』(1982年公開)でした。その頃の映画館では同じ作品を1日に何度も上映していました。入口で入場券を買い上映の合間、お客さんの入れ替えの時に空いた席に座り次の上映を待ってました。そしてその気になれば上映後もそのまま居座って同じ映画を繰り返し観ることも出来ました。僕は経験が無いのですが、遅くまで飲んで終電を逃した時、オールナイトで上映する映画館で朝まで過ごすということもあったそうです。
あと思い出すのが、エンドロールになると席を立って帰るお客さんがいたことです。エンドロールも作品の一部だから全部観るべきだ、と主張する人もいたりしました。今ではエンドロールで席を立つ人はいないようですが、当時は同じ映画を繰り返し観れたので、恐らく既に何度も観た人がもう充分とばかり席を立ったのでしょう。でも映画のエンドロールで人々が立ち上がりざわざわしながら出ていくあの感じは好きでした。映画の終わり、夢の時間は終わって現実に引き戻される、祭りの後ではないですが一抹のさみしさを心地よいと感じたものです。
懐かしい昭和の思い出、あの頃は良かったなあとしみじみ思います。
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