本年もよろしくお願い申し上げます。
年末所感2016
2016年も残りわずかになりました。
これから年末にかけて少し寒い日があるようですが、正月は穏やかで暖かい日になると予想されています。
毎年のことですが、こうして穏やかな年越しができることは本当にうれしいことだと、年を取るにしたがって思うようになりました。
来年もまた良い年でありますように。皆様のご多幸を心よりお祈りいたします。
意外に知らない自分の身体のこと
現在、高血圧の治療を受けています。
定期的に診察を受けて薬を処方してもらっています。その他にも塩分に注意したり運動を心がけたりしていますが、もう一つ、朝と夜に毎日血圧を測るようになりました。
計測を初めて早や2か月が経過しましたが、この間に血圧は驚くほどの上下動を繰り返しています。かなり高めな数値が出たかと思ったら、正常値の時もあります。軽い飲酒や軽い運動をした日は下がり、逆に深酒をしたり激しい運動をした日は上がります。意外にも飲酒も運動もしない日は上がるようです。また夜よりも朝が高い傾向にあります。その他にもいろいろな要因で血圧が上下するのが分かります。
毎日血圧を測定して初めて分かったこと、人間の身体とは本当にデリケートで、様々な状況の変化にともなって血圧をはじめとした身体のメカニズムは刻々と変化していること。
また、意外と自分で自分の身体を知らないのだとも思いました。自分の身体が毎日、こんなにもめまぐるしく変化していることを目の当たりにして驚いています。
自分の知らない間に自分の身体は頑張っているのです。
日本の医師不足(2)
先月のブログで、日本の人口千人あたりの医師数は2.3人で、OECD加盟国の平均にも達しておらず、深刻な医師不足の状態にあると書きました。
このことを友人に話したところ、「病院も診療所も、あちこちにたくさんあるのに医師が不足しているのか」と聞かれました。
実は、先月のブログで紹介したOECDの統計によると、日本の病院数、病床数、CT等の先端医療機器の数は先進国の中でも突出して多いのです。このことから、日本では医療施設や医療機器と言ったハード面の充実を重視していたことが分かります。
次に患者の受診回数や入院日数は、日本は他の国に比べたら非常に多く、言うなれば多数の患者を少ない医師で診療していることになります。
ところで、先月のブログで、当初医師数の増加は医療費の増加につながるという理由で政府は医学部定員を低く抑えてきたと書きました。実際に日本の医療費のGDPに対する割合は国民皆保険制度があるにも関わらず低く抑えられていましたが、2000年代に入ってから急激に増加し、今ではほぼOECD平均値に追いついています。主な原因は高齢化によるものと考えられています。
医療費の割合が非常に高いアメリカでは市場主義による医療費の抑制がうまくいっておらず、ドイツやフランスも医療費の割合が高く財政圧迫の要因となっています。逆にイギリスやイタリアは政府が医療費の支出に消極的だったために割合は非常に低いものの、患者が専門医を受診できるまでずっと待たされる「医療待機」という問題を抱えています。
戦後、日本の医療制度は他の国に比べればうまく機能していたのではないでしょうか。しかし、時代は変化しつつあります。せっかく世界に誇れる医療を構築してきたのに、今に至って持続可能な医療制度への移行、高齢化社会に対応した医療と介護の確立は必ずしもうまく軌道に乗っているとは言えない状況です。これまでの不安定な政権から、良くも悪くも、安定した長期政権が期待できる今、将来を見据えた改革が望まれるところです。
日本の医師不足
OECD(経済協力開発機構)の統計によると、日本の人口千人当たりの医師数は2.3人でOECD平均の3.2人を下回っており、深刻な医師不足の状態にあります。(2013年時点)
日本の医師不足の問題については報道等により、よくご存知かと思います。戦後しばらくして国民皆保険制度が実現し、医師の確保が求められ、各県に医学部が設置されました。しかしその後、医師数の増加が医療費の増加につながると言う懸念から、政府は医学部定員をずっと低く抑えてきました。これが現在の医師不足の一つの原因となりました。
それから政府は方針転換し、医師数を増やすことを決め、平成20年から現在まで約1500人医学部定員を増やしました。また、1つの県に1つの医学部という構想が実現した1979年以降、ずっと見合されていた新規の医学部創設も行われました。そして現在、日本にはおよそ80の医学部、医科大学があります。しかし、医師不足はまだ解消されてはおりません。
ところで、日本で深刻な医師不足になったのはこれが初めてではありません。太平洋戦争中、軍医として医師を国外の前線に送り込んだために国内で診療する医師が不足しました。当時、医師になるためには、大学を卒業し医学士と医師免許を取得するコースと、医学専門学校を卒業し医師免許を取得する二つのコースがありました。戦時中、政府はこのうち医学専門学校を日本各地に創設しました。こうして医学専門学校をはじめとする医学校の合計はおよそ70校となりました。(これらは戦後になって整理され、最終的には46校になりました。)
これはちょっとびっくりします。太平洋や東南アジア全域に軍隊を展開して戦争をし、多くの軍医が駆り出されていた頃よりも多くの学校がありながら医師が不足しているわけです。ある意味で、今の日本の状況は戦時中よりも悪いと言えるのでしょうか。いずれにしても、この問題は人々の健康にかかわる問題です。もっと市民を巻き込んだ議論になってほしいと思います。