愛媛県今治市での獣医学部の新設に絡む疑惑で持ちきりですが、とうとう政府は日本全国津々浦々、希望があれば獣医学部新設に応じると発表しました。
国の根幹をなす農業に関わる獣医師は、長く政策によりその数がコントロールされてきました。もしも、今後獣医学部の新設が相次いだら、獣医師の数は今の水準を大きく上回ることになるでしょう。このことの是非は置いといて、ここで一つの疑問があります。
獣医師となるには机上の勉強だけなく実習が不可欠です。そのためには生きた動物たちが必要です。例えば、牧場、動物園、そして動物病院での学生たちの受け入れはどうなっているのでしょうか。一つの獣医学部で100名近い学生が今後新しく増えるものと思います。こうした大勢の学生が動物の治療に触れられる環境を整えるのは並大抵のことではないでしょう。獣医学部の新設で学生がどれだけ集まるのか、教員はどう確保するのかという疑問はニュースなどでも聞かれますが、こうした実習動物たちの確保についてはあまり聞かないと思うのは自分だけでしょうか。
箱だけ作ればなんとかなるという旧態依然とした考え方はもはや無いとは思いますが、動物とはいえ大切な「いのち」を預る仕事です。政府もしっかりとした対応をしてほしいものです。

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