伊勢志摩サミットの後、アメリカのオバマ大統領が広島市を訪れました。大統領は、広島市の平和記念公園にて、慰霊碑に花を手向け、犠牲になった人々を悼みました。
戦後71年にして初めて核爆弾を投下した国の大統領が被爆地ヒロシマを訪れた歴史的意義は大きいと思います。
米ソ冷戦時代、わたしたちは、いつ頭上で核爆弾が爆発してもおかしくない状況に置かれていました。しかし冷戦が終結した今日では旧ソ連の崩壊に伴い、核開発技術や放射性物質の拡散が懸念され、核テロリズムという新たな脅威が生まれました。また、昨今の北朝鮮による核開発の現状を見ると、被爆地であるヒロシマ、ナガサキの核廃絶のメッセージは空しいものに感じられる時があります。
しかし道のりが決して平たんではないことは誰もが理解しています。それでも誰かが、現実に迎合することなく、声を上げることができれば、そして同じ気持ちを持った人が一人づつでも増えていけば、世界は良い方向へ向かうのではないかとも思えます。
オバマ大統領が行ったヒロシマでのスピーチの前半部分は戦争を繰り返してきた歴史の中で核兵器を生み出してしまったことを人類全体の問題と捉えています。核兵器の無い平和な世界の構築は全ての人々の理想とするところであることに異存はないでしょう。しかし、最大の核保有国の大統領として、ほかに言うことはないのか、という批判もあるようです。
でも今は、オバマ大統領の被爆地ヒロシマ訪問を素直に喜びたいと思います。

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