3月に入り、気候もだんだんと穏やかになってきました。これから本格的な春を迎えるまでは三寒四温と言って寒さ温かさを繰り返しながら、あたかも季節が足踏みをしているかのようにゆっくり進んでいきます。日中汗ばむほどの陽気になるかと思えば、3月に入ってまとまった雪が降ることも稀にあります。
ところで、春は卒業と新入学の季節であり、新しい生活のスタートの季節でもあります。身の回りでは木々がが芽吹き、美しい花が一斉に咲き始め、動物たちが活動を開始します。このように、自然の営みと協調して人の営みがありますが、これは恐らく、自然と一体になって暮らしてきた日本人の文化の特徴であり、また日本人独特の自然観なのだろうと思います。
しかし、最近では卒業や新入学を欧米のように9月にしようと言う動きがあります。確かにそのほうが効率的だし、実情にぴったりと即している部分もあります。とはいうものの、日本全国津々浦々、あらゆること全てにおいて9月スタートが良いとは限りません。とかく今の日本では、何が一つの流れが生まれると、遅れては大変だと盲目的にその流れにつかまって、あらゆることが右へ倣えになってしまうような気がします。
良いものは良い、でも残すべきものはちゃんと残して伝えていくことも必要だと思います。

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