受験シーズンもいよいよ最終盤であとは国公立大学の二次試験を残すのみといったところでしょうか。
2014年7月の週刊東洋経済オンラインで、2015年受験のキーワードは「地元」「安全」「理系」「資格」と書かれていました。どのキーワードも目新しい物でもなく、ここ最近の傾向がまだ続いているようです。
特に「地元」=地方国立大学、「理系」「資格」=医師、薬剤師の国家資格という構図は顕著に現れ、地方の医学部や薬学部は偏差値において幾多の名門大学にも匹敵する高い数値になっています。
このような傾向を受けてマスコミの中には、「理工系離れ」だと言って、日本の製造業を担う人材がいなくなり、日本経済が衰退していくと大騒ぎするところもあるようです。
しかし、我が国のもう一つの現実として「医師不足」があることを忘れてはならないと思います。平成22年、厚生労働省は初めて病院等における必要医師数実態調査の概況をまとめました。これは簡単に言えば病院等が必要とする医師の数と実際に働いている医師の数を比較したものです。その結果は、全ての都道府県で、必要とする医師数が実際に働いている医師数を上回っている、つまり医師が不足しているというものでした。
日本はすでに超高齢社会に突入しています。慢性疾患を抱えた患者数はますます増えていきます。そしてこれは地方においてより深刻となります。幸いなことに、各都道府県のほぼすべてに国立医学部が設置されています。そこへ地元志向の優秀な人材が入り、それぞれが医師として地域へ戻っていくことはとても重要なことだと思います。日本の製造業も大切ですが、人々の健康もまた大切です。各地方において優秀な医師の教育がなされることは素晴らしいことだと思います。