高齢ドライバーの事故が立て続けに起こり、社会問題となっています。進まない免許の自主返納を見かねて、ある一定の年齢以上になったら強制的に返納させるという意見も出始めています。自動車の運転には常に死亡事故の危険がつきまといますから、高齢ドライバーに対してある程度の制限を加えることは必要だと思います。
しかし、免許を返納したくてもできない高齢者も相当数いることもまた事実です。
筆者の住む農村は高齢世帯が多く、通院や買い物等の日常生活では車が欠かせません。バスはありますが集落からバス停までの移動手段がありません。都市部で普及している宅配サービスも農村ではほとんど普及していません。
また緊急時、例えば夜中に高熱が出る等の急病の場合、夜間受け付けてもらえる医療機関は近くにありません。タクシーを呼ぼうにも、夜9時以降はタクシーは来てくれません。車が無ければ救急車を呼ぶ以外に方法はありません。しかし、軽い症状で救急車を呼ぶことには批判もあります。でも高齢者にとって、目の前の患者の症状が軽いか重いか、判断はできるでしょうか。
高齢ドライバーの事故を減らすには、高齢者から免許証を取り上げるのではなく、もう危険な運転をしなくてもよい社会にすることが最も肝心なことだと思います。 <<戻る>>