2010年、WHO(世界保健機構)が「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」を採択しました。この戦略によれば、酒類の広告規制、酒の安売りや飲み放題の禁止又は制限、課税などによる酒類の最低価格の引き上げ等が各国に求められ、その実施状況を報告するようになっています。
酒やアルコールは、アルコール依存症をはじめとする健康障害を引き起こしたり、DV等各種暴力の引き金になったり、また飲酒運転事故等と個人の生活や社会の安全を損ない、その意味では酒による社会的損失はタバコよりも大きいと言えます。だからこそ、ある程度の規制をかけて、皆が節度ある飲酒をするようになれば、大変結構なことと思います。
とは言うものの、心配なこともあります。現在、タバコのパッケージに大きく健康へのリスクについての警告文が印刷されています。同じことが酒にも適用されるのではないでしょうか。
言うまでもありませんが、日本の地酒や各国のワインをはじめとし、そのほか世界中で愛される酒のラベルは大変美しいものが多く、コレクターズアイテムにもなっているほどです。このラベルにでかでかと警告文が印刷されてしまったら。それを想像すると、あまりの滑稽さにがっかりしてしまいます。
酒は大人の特権です。そして、大人になれば何事にも節度が求められます。警告文など無くても、節度ある飲酒をすれば何の問題も無いわけです。それでこそ百薬の長だと言えるのだと思います。
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