梨等の果樹は春先に立派に伸びた枝を剪定します。こうしないと実が付かないのです。植物でも動物でも、充分成長した個体は、より大きく強く成長することにリソースの大部分を費やします。そのために実を付けたり子どもを産んだりと言う繁殖にあてられるリソースは減ります。一方で、生存環境が厳しかったり、成長する前に捕食されるような、例えば荒れ地に生える雑草とか小動物は自分自身の成長よりも繁殖の方に多くのリソースを配分します。つまり、少子も多子も生き物の生存戦略そのものだと言えます。
ところで日本の人口が5年間で約310万人減少し、過去最大の減少幅だったことが国勢調査の結果判明したと, 先月報道されました。乳幼児死亡率の低下と平均寿命の伸長は生物としての生存環境が優れていることを示しています。つまり人間も、繁殖より自分自身の成長により多くのリソースを配分しているわけです。現在の若者たちが結婚をあきらめたり、出産に消極的なのは社会的、経済的要因もさることながら、生物学的ファクターによる部分もあるのでしょうか。
政府や自治体が行う様々な少子化対策、多くは政策的経済的誘導策ですが、今のところ効果が見えないのは少子化の背景にある、この生物学的ファクターのせいなのかもしれません。
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