晴耕雨読という言葉があります。晴れの日は土地を耕し雨の日は読書をする。一見すると勤勉を奨励するような言葉ですが、実は理想的な隠遁生活を表した言葉です。俗世間の雑事に疲れたら、深山幽谷に囲まれた中で晴耕雨読の生活を送る。昔の人にとって、これこそが憧れの生き方、余生というわけです。
老後を身近に感じ始めると、やはり気になるのは年金収入です。しかし、どうしても不安が先に立ってしまうのは、年金制度そのものの将来が不安視されているからでしょう。この不安を解消する一つの解答が晴耕雨読なのかもしれません。
また昔の人は「足るを知る」という言葉を残しました。収入が少ない事は苦ですが、これは収入が少ない事自体が問題なのではなく、収入が少ない事に思い悩む人の心の有り様が問題なのだと昔の人は考えました。確かに「足るを知る」という心持で暮らせば収入の多少に思い悩むことはないでしょう。その分、心は楽になります。
とはいうものの、晴耕雨読も「足るを知る」も、簡単に実践できるものではありません。それこそ人生を根本から変えるような一大決心と、理想を求める強い意志が必要です。あいにくと自分にはどちらも無いようです。ここまで書いておいて本当に情けない限りです。まだまだ昔の偉人には遠く及ばないと言うことです。
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